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大腸がんの初期症状について

大腸がんの初期症状について

大腸がんの初期症状は?

大腸がんの初期症状は、ほとんどないと考えていただいた方がよろしいかと思います。 ごく稀に、お尻の穴の近くにあるがんですと、血便などで気づくケースが見られることがありますが、特有の初期症状というのはほぼありません。 たとえば、全然関係のない痔の出血や、便秘、下痢、健康診断でたまたま受けた便潜血検査など、偶然の検査で見つかるケースが多いです。 とはいえ、症状としては、なかなか見つかるケースは少ないため、何かしらのきっかけで検査を受けないと分からないものです。

初期の大腸がんかどうか確かめる方法は?

初期の大腸がんかどうかを確かめる方法として、一般的に主流なのはやはり大腸内視鏡検査です。 その他には、バリウム注腸検査やCTコログラフィー(CT大腸検査)があります。 血液検査(腫瘍マーカーなど)で早期に見つかるケースは、ほとんど考えられません。 また、便潜血検査は、病気があるか確かめるという目的で使用することはありえません。なぜなら、便潜血検査は不確実性がある検査であり、極端な話、病気があっても出血していない時に検査をしてしまうと、病気はあるのに検査は陰性(病気がないという判断)になってしまうからです。便潜血検査を病気があるかないか確かめるための手段として使用するのはおすすめしません。

当院では、日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医が、苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っております。AI(人工知能)システムを使用した画像認識機能により、高い精度で病変部を検出することも可能です。また、鎮静剤を使用して眠った状態で検査を受けていただくことや、胃カメラ検査と同日に大腸カメラ検査を行うことも可能です。

大腸カメラ検査について

大腸がんに気づくきっかけは?

大腸がんに気づくきっかけは様々です。 まず最も分かりやすいのは、肛門の近くから出血した場合の赤い鮮血便が出る場合です。これは便もしくは痔から血が出る場合です。 右側の大腸(深部大腸や異大腸と呼ばれる部分)は、出血で気づくこともありますが、腸の中に血が溜まっている時間が長くなるため、血液の鉄分が腸内細菌で酸化され、便の色が変わって黒い便になったり、暗黒赤色になったりします。必ずしも赤ではないということですね。 その他には、お腹の痛みがあります。特に進行した場合、腸閉塞の前兆として腹痛が見られる場合があります。 また、便が出づらい、便秘になる、元々緩かった人が便が硬くなるなど、便習慣の変化も症状の一つです。 お尻に近い直腸やS状結腸(大腸がん全体の35~40%程度)に癌がある場合、便が出たのに出きらない感じ、残便感といった症状があることがあります。 さらに進行した場合のきっかけとしては、他の診療科で診察を受けている際に貧血で見つかる、健康診断で腫瘍マーカーが異常に高い、転移するレベルになると栄養が癌に取られて栄養失調になる(痩せる)といったものがあります。健康診断の便潜血検査もきっかけの一つになります。

手遅れな大腸がんの症状は?

手遅れな大腸がんの症状としては、強い腹痛があったり、慢性的に明らかに貧血になったり、そして腸閉塞で発症するケースがあります。 肛門の周りに癌と一緒にを作ってしまうといった症状が見られることもあります。

大腸がんの便はどのようなものでしょうか?

大腸がんの便は、まず血便です。 加えて、普通の今までの状態と変わった場合です。 特に、お尻の穴に近いところの癌では、血が混じる硬くなる、または細くて血が混じるといった便が見られます。 逆に、狭いところを無理に通すので、緩くないと出なくなって下痢になることもあります。

右側の大腸の癌に関しては、便の形態はほぼ変わりません。右側の大腸は、泥状の便の元から水が抜かれて固形化される場所であり、出始めの右側の大腸はよっぽど進んでも液状、つまり泥状なので、便の形に影響がないため、狭くても通れてしまうからです。そのため、右側の大腸の癌は、便の症状が出た時には左側のお尻の穴に近いところに比べて進行している程度が進んでいることが多い傾向にあります。

大腸がんはどこが痛くなりますか?

大腸がんの痛みは、人によって異なります。 基本的に腸の内側には神経がないので、癌による痛みであるということは、相当進んだ場合のみです。

そうではない場合の痛みは、ほとんどが便が通りづらくなって宿便し、便が詰まって出る腹痛です。 なので、場所は人によってバラバラで、左の下が痛い、みぞおちが痛くなる、背中がなんとなく痛いなど、特定の場所はありません。 非常に進んで腸の外まで顔を出すようなレベルになると、癌と同じ場所にピンポイントで痛くなることもあります。 また、便をする前に痛みが出て、便をすると痛みが取れるというパターンもあります。 肝臓などに転移した場合、右の肋骨の下が痛くなることもあります。 ちなみに、肛門痛は肛門の痛みですので、大腸がんの痛みとは異なります。

大腸がんの進行速度はどのくらいですか?

大腸がんの進行速度は諸説ありますが、正常な細胞から進行がんにまでなるのは、大体10年や15年というスパンをかけて、ある程度の長い経過を経てなっていく形が多いです。これはポリープから段階的に育つ場合など、様々な経路がありますが、一般的にはこのぐらいの速度です。 癌になった後、どのぐらいで進行していくかというと、もちろん個人差や病気によって全く異なりますが、本当に数ヶ月単位で物事は進むと考えられます。

初期の大腸がんが治る確率は?

初期の大腸がんは、95%以上治ります。 ステージ0だと9割から9割5分、ステージ1という少し進んだ場合でも大体90%ちょっとです。 なので、早期に治療すれば、少なくとも命を取られるケースは少ないです。 これは「治る確率」というよりは「生きられる」という言い方、つまり5年生存率という言い方をすることが多いですが、早期がんの5年生存率は非常に高いと思います。

大腸がんの検査はどの科に行けばいいですか?

大腸がんの検査は、もちろん胃腸科 もしくは消化器内科 が最も望ましいです。 さらに、内視鏡と標榜している診療科でも良いでしょう。

当院は、消化器内科・内視鏡内科を標榜しており、消化器内視鏡専門医が内視鏡検査を行っております。お気軽にご相談ください。

大腸カメラ検査について

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院長 君島 映

この記事の執筆者

略歴

  • 東京女子医科大学 消化器病センター
  • 筑波胃腸病院
  • 防府消化器病センター
  • 医療法人社団 中山会 八王子消化器病院
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院

資格

  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本膵臓学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 厚生労働省 臨床研修指導医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 保険医
  • 難病指定医
  • 四段階注射法 講習会修了

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本再生医療学会 正会員