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消化器内科と消化器外科の違いは?

消化器内科と消化器外科の違いは?

「消化器内科」と「消化器外科」は名前が似ており、その違いが分かりにくいかもしれません。両者の専門性、検査・治療方法、そして連携のケースについて解説します。

■消化器内科とは

消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓、そして場合によっては脾臓など、食物の摂取・分解・吸収に関わる「消化器」全般を専門的に扱う内科の診療科です。一般内科とは異なり、風邪や脳・心臓の病気ではなく、食べ物に関係する臓器の病気に特化して診ます。

かつて「胃腸科」という呼び方が存在しましたが、現在はほとんど「消化器内科」に統一されています。消化器内科の医師の中には、さらに胃、腸、肝臓といった特定の臓器に特化して専門とする場合もありますが、大学病院や基幹病院以外では、通常、消化器全体にわたる疾患を診療していることが多いです。

消化器内科は、いわば消化器疾患の「入口」となる診療科であり、患者さんの症状を診て、必要な検査や治療方針を判断し、時には外科的治療が必要な場合に消化器外科へ橋渡しする役割を担います。

■消化器外科とは

消化器外科と消化器内科の決定的な違いは、その名の通り「メスを持つか否か」にあります。つまり、手術による治療を専門的に行う診療科です。

消化器外科が扱う疾患は、基本的に消化器内科とほとんど同じであり、非常に多くの部分で重複しています。診断の結果、内科的な治療が望ましい場合は消化器内科で、外科的な治療が望ましい場合は消化器外科で治療が行われます。

医師の研修制度によっては、外科医であっても内科の診療(例えば、エコー検査や内視鏡検査、カテーテル検査など)を一通り習得している場合もあれば、外科のみに特化した教育を受ける場合もあります。(内視鏡の技術については、腹部を見た経験がある外科医の方が、平均的に高いスキルを持つ傾向があるという見解もあります。)

■消化器内科の検査・治療

消化器内科では、以下のような検査や治療を主に行います。

  • 〇検査
    • 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)大腸カメラ
    • カプセル内視鏡
    • エコー検査
    • CT検査
    • 超音波内視鏡検査
    • 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)

  • 〇治療
    • 薬物療法:薬による治療。
    • 内視鏡的治療:内視鏡を用いて行う切除や処置など。
    • エコーガイド下治療

■消化器外科の検査・治療

消化器外科も薬物療法、内視鏡検査、エコー検査を行う部分はありますが、主に進行した病気を扱うことが多いという特徴があります。

    • 〇治療
      腹腔鏡下手術
      :腹部に数か所の小さな穴を開けて行う手術。
    • 開腹手術:お腹を切開して行う手術。
    • 肛門疾患の診断・治療・手術:消化器内科の医師があまり診ない領域であり、肛門系の治療は主に消化器外科が担当します。例えば、肛門の症状で受診した際に、直腸の問題だけでなく肛門自体の疾患も診察できるため、複数の専門医を受診する手間を省ける場合があります。

■消化器内科と消化器外科が連携するケース

消化器内科と消化器外科の間には明確な境界線がないため、連携するケースは多岐にわたります。

  • 診断から治療、そして管理へ
    消化器内科の医師が患者さんを診断し、その疾患が外科的治療の対象であると判断した場合、消化器外科に引き継がれます。外科的治療が終わった後も、そのまま外科医が管理を続けることもあれば、再び内科医が定期的な検査などで管理を行うケースもあります。

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
    これらの疾患は内科医が主導で治療を進めますが、薬でコントロールが困難になり手術が必要な場合や、経過観察中にがんが見つかった場合は、外科医と連携して治療が行われます。

  • 協働手術(LECSなど)
    近年では、内視鏡医と外科医が同じ手術室で協力して手術を行うケースも増えています。例えば、「LECS(内視鏡・腹腔鏡合同手術)」では、消化器内科の医師が内視鏡を使って病変(主に胃)を切除し、その切除した部分の縫合を消化器外科の医師が行います。これは、両者の専門性を活かし、同じフィールドで治療を進める代表的な例と言えるでしょう。

このように、消化器内科と消化器外科は、それぞれの専門性を生かしながら患者さんの状態や病状に合わせて連携することで、より効果的な医療を提供しています。

■どちらへ受診するか迷ったら?症状の目安

消化器系の不調で受診先に迷った場合、まずは消化器内科を受診するのが適切です。

消化器外科を直接受診するケースは、救急車で運ばれるような緊急事態で、明らかに外科的処置が必要な場合以外には、ほとんどないと考えてよいでしょう。

消化器内科は、消化器疾患の「扉」や「入口」のような存在です。まずは消化器内科で診察を受け、内科医の判断に基づいて、外科的治療が必要であれば消化器外科へ紹介される、というイメージで捉えてください。

 

はい、承知いたしました。インタビューの内容に基づき、きみじまメディカルクリニック下北沢駅前の強みを伝える文章を作成します。

■下北沢駅で消化器内科をお探しの方へ

当院では、日本消化器病学会 消化器病専門医および日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医の資格に加え、日本外科学会 外科専門医、日本消化器外科学会 消化器外科専門医、消化器がん外科治療認定医という外科医としての専門性も併せ持つ院長が診療を担当いたします。

内科と外科、両方の視点を持つ専門性により、患者様の消化器の状態を多角的に診断し、最適な治療方針を提案することが可能です。例えば、通常の消化器内科ではあまり専門としない肛門疾患についても診断から治療、手術まで一貫して対応できるため、複数の医療機関を受診する手間を省き、トータルで質の高い医療を提供いたします。

消化器内科をお探しの方はもちろん、総合的な視点から消化器の不調を相談したい方は、外科医としての専門知識も兼ね備えた当院の院長による診療をぜひご検討ください。下北沢駅徒歩1分とアクセスも大変便利です。

 

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院長 君島 映

この記事の執筆者

略歴

  • 東京女子医科大学 消化器病センター
  • 筑波胃腸病院
  • 防府消化器病センター
  • 医療法人社団 中山会 八王子消化器病院
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院

資格

  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本膵臓学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 厚生労働省 臨床研修指導医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 保険医
  • 難病指定医
  • 四段階注射法 講習会修了

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本再生医療学会 正会員