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十二指腸潰瘍のサインとは?初期症状から重症化のサインまで徹底解説

十二指腸潰瘍は、胃酸によって十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれてしまう病気です。
初期の段階で適切な治療を受ければ治りますが、放置すると命に関わる重篤な合併症を引き起こすことがあります。

十二指腸潰瘍のサインを見逃さないよう、初期症状から緊急性の高いサインまでを詳しく解説します。

内視鏡検査について詳しくはこちらをご覧ください。
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十二指腸潰瘍の「初期のサイン」

十二指腸潰瘍に特徴的なのは、「空腹時や夜間の腹痛」です。
胃潰瘍が食後に痛むのに対し、十二指腸潰瘍は胃酸が十二指腸に流れ込む空腹時に痛みが強くなる傾向があります。

  • ・みぞおちの痛み: シクシク、キリキリといった痛み。焼けるような感覚を伴うこともあります。
  • ・空腹時や夜間の痛み: 食事をとると一時的に痛みが和らぐが、明け方から朝方にかけて痛みが強くなることが多い。
  • ・胸焼け・呑酸: 胃酸が逆流し、胸焼けや口の中が酸っぱくなる(呑酸)症状を伴うことがあります。
  • ・吐き気: 胃の動きが悪くなることで、吐き気や胃もたれを感じることがあります。

これらの症状は、ピロリ菌感染や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が原因であることが大半です。
特に痛みが繰り返される場合は、自己判断で市販薬に頼らず必ず消化器内科を受診してください。

重症化のサイン!放置厳禁の合併症

潰瘍がさらに進行すると、以下の重篤な合併症を引き起こします。これらは命に関わる緊急性の高いサインです。

1. 吐血・下血(出血)

潰瘍が出血を起こすと、吐血(コーヒーのような黒っぽいもの、または鮮血)や、黒いタール状の便(タール便)が出ます。
出血量が多いと、貧血やショック状態に陥る危険があります。

2. 穿孔(せんこう)

潰瘍が十二指腸の壁を完全に突き破ってしまう状態です。胃酸や内容物がお腹の中に漏れ出し、急性腹膜炎を引き起こします。

  • ・突然の激しい腹痛(耐え難い痛み)
  • ・腹部全体が硬くなる
  • ・冷や汗、ショック状態

この症状は緊急手術が必要となるため、すぐに救急車を呼ぶか緊急対応ができる医療機関を受診してください。

3. 狭窄(きょうさく)

潰瘍が治癒する際にできる瘢痕(キズ跡)が十二指腸の通り道を狭くしてしまう状態です。

  • ・嘔吐を繰り返す(特に食後)
  • ・食べたものがなかなか消化されない感覚
  • ・体重減少

重度の狭窄は食事摂取が困難になり、点滴や内視鏡による治療が必要となります。

検査と治療

十二指腸潰瘍の確定診断には、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)が必須です。
潰瘍の状態を直接観察し、出血の有無や穿孔の可能性を確認します。また、同時にピロリ菌の検査を行います。

治療は、胃酸の分泌を抑える薬による内服治療が中心です。ピロリ菌が原因の場合は、除菌療法を行います。
専門医による適切な診断と治療で、早期に治癒を目指しましょう。

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下北沢・明大前エリアで消化器内科をお探しの方へ

下北沢駅前きみじま消化器内科・内視鏡・肛門外科クリニックは、
十二指腸潰瘍の診断と治療、原因となるピロリ菌の除菌に専門的に対応しています。
空腹時の腹痛や胸焼けなど、気になる症状があれば、放置せず専門医にご相談ください。
下北沢駅徒歩1分、明大前からも井の頭線でアクセス便利です。

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院長 君島 映

この記事の執筆者

略歴

  • 東京女子医科大学 消化器病センター
  • 筑波胃腸病院
  • 防府消化器病センター
  • 医療法人社団 中山会 八王子消化器病院
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院

資格

  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本膵臓学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 厚生労働省 臨床研修指導医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 保険医
  • 難病指定医
  • 四段階注射法 講習会修了

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本再生医療学会 正会員