TOPへ

ブログ

繰り返す腹痛と下痢・便秘…過敏性腸症候群(IBS)の正しい診断基準と治療法

通勤途中や会議中など、急な腹痛と便意に襲われる...。
このような症状に長年悩まされている場合、それは過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome; IBS)かもしれません。

IBSは、大腸に炎症や潰瘍などの器質的な病変がないにも関わらず、腹痛や排便異常が慢性的に続く病気です。
ここでは、IBSの正しい診断基準と、当院で行う治療法について解説します。

内視鏡検査について詳しくはこちらをご覧ください。
WEB予約はこちらから

過敏性腸症候群(IBS)の正しい診断基準:Rome IV基準

IBSは、客観的な検査だけでは診断が難しく、世界的に定められたRome IV基準という問診を中心とした基準で診断されます。

以下の2つの条件を満たしていることが必要です。

  1. ・腹痛が3カ月以上にわたり、平均して週に1回以上繰り返されている。
  2. ・腹痛が、以下の2つ以上の排便に関連した特徴を持つ。
    • ・排便によって痛みが改善する。
    • ・排便頻度の変化に関連している。
    • ・便の形状の変化に関連している。

IBSのタイプ分類

IBSは、便の形状によって主に以下の3つのタイプに分類され、治療法も異なります。

  • ・IBS-D(下痢型): 頻繁な下痢が特徴
  • ・IBS-C(便秘型): 慢性的な便秘が特徴
  • ・IBS-M(混合型): 下痢と便秘を交互に繰り返す

診断の前提:大腸カメラによる器質的疾患の除外

IBSと診断する上で最も重要なのが、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)により、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がんといった、炎症や腫瘍を伴う器質的な疾患がないことを確認することです。

特に、以下のような警告症状がある場合は、IBSではなく別の重篤な病気の可能性が高いため、必ず内視鏡検査が必要です。

  • ・血便がある
  • ・体重減少がある
  • ・発熱がある
  • ・50歳以上で初めて症状が出た

IBSの治療法:生活習慣の改善と薬物療法

IBSの治療は、患者様の症状やタイプに合わせて段階的に進めます。

1. 食事・生活習慣の改善

  • 食事記録: 症状を悪化させる食物(脂肪分、カフェイン、アルコールなど)を特定し、避ける。
  • 低FODMAP食: IBSの症状を誘発しやすい特定の糖質(FODMAP)を制限する食事法が有効な場合があります。
  • 適度な運動と十分な睡眠、ストレス管理。

2. 薬物療法

IBSのタイプごとに、腸の動きや水分の調整を目的とした薬を使用します。

  • ・下痢型(IBS-D): 高分子ポリマーやセロトニン受容体拮抗薬を使用し、便の水分量を調整し、腸の過剰な動きを抑制します。
  • ・便秘型(IBS-C): 便秘薬(ルビプロストン、リナクロチドなど)や粘膜上皮機能変容薬を使用し、腸管内の水分分泌を促進して排便を促します。
  •  
  • 共通: 整腸剤(プロバイオティクス)や抗痙攣薬を使用し、腸内環境を改善し腹痛を緩和します。

IBSは治りにくい病気と思われがちですが、正しい診断と専門医による適切な治療で、症状をコントロールし、生活の質(QOL)を大きく改善することが可能です。諦めずに、ぜひご相談ください。

内視鏡検査について詳しくはこちらをご覧ください。
WEB予約はこちらから

 

下北沢・明大前エリアで消化器内科をお探しの方へ

繰り返す腹痛や便通異常は、過敏性腸症候群(IBS)のサインかもしれません。
下北沢駅前きみじま消化器内視鏡・肛門外科クリニックでは、IBSの正確な診断と、患者様の症状に合わせたオーダーメイドの治療を提供しています。下北沢駅徒歩1分、明大前エリアからも便利な当院で、専門的なケアを受けてみませんか。

内視鏡検査について詳しくはこちらをご覧ください。
WEB予約はこちらから

院長 君島 映

この記事の執筆者

略歴

  • 東京女子医科大学 消化器病センター
  • 筑波胃腸病院
  • 防府消化器病センター
  • 医療法人社団 中山会 八王子消化器病院
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院

資格

  • 日本消化器病学会 消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器外科専門医
  • 日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医
  • 日本膵臓学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 厚生労働省 臨床研修指導医
  • 緩和ケア研修会 修了
  • 保険医
  • 難病指定医
  • 四段階注射法 講習会修了

所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本膵臓学会
  • 日本消化器病学会
  • 日本消化器内視鏡学会
  • 日本再生医療学会 正会員